てどりナース
基礎知識

看護師の手取りと額面の差の仕組み

更新日 2026-07-05

給与明細を見て、「額面はそれなりにあるのに、実際に振り込まれる金額はずいぶん少ない」と感じたことのある看護師の方は多いのではないでしょうか。この差は決して損をしているわけではなく、社会保険や税金の仕組みによって生まれる、いわば決まった流れのものです。ここでは、その仕組みを順を追って整理します。

額面(総支給額)と手取りは別物

給与には大きく2つの金額があります。ひとつは「額面(総支給額)」で、基本給や各種手当をすべて足した、控除される前の金額です。もうひとつが「手取り(差引支給額)」で、額面から社会保険料や税金を差し引いた、実際に口座へ振り込まれる金額です。

一般的な感覚として、看護師に限らず会社員では、額面のうちおよそ1〜2割程度が控除で引かれ、残りが手取りになると考えておくと大きくは外れません。つまり手取りは額面のおおむね8〜9割が目安になります。ただし後述のとおり、収入水準や年齢、扶養の有無などで割合は変わるため、あくまで概算として捉えてください。

額面を構成する3つの要素

看護師の給与は、主に次の要素で組み立てられています。

基本給

毎月固定で支払われる給与の土台です。経験年数や役職に応じて少しずつ上がっていくのが一般的で、賞与や退職金の計算のベースにもなります。

夜勤手当

看護師の給与の大きな特徴が夜勤手当です。二交代か三交代か、また勤務先によって1回あたりの金額や月の回数は異なりますが、夜勤の回数が多い月は額面が大きく増える傾向があります。逆に夜勤が少ない月は額面も下がるため、月ごとの変動が出やすい部分です。

残業代・その他手当

時間外労働に対する残業代のほか、通勤手当、住宅手当、資格手当などが加わることもあります。通勤手当には原則として一定額まで所得税がかからない扱いがある一方、社会保険料の計算には含まれることがあるなど、手当ごとに扱いが少しずつ異なります。

額面から引かれる「控除」の中身

控除は、大きく「社会保険料」と「税金」に分けられます。

  • 健康保険料:協会けんぽの場合、保険料率は都道府県ごとに異なり、令和8年度でおよそ9.2〜10.6%程度です。会社と折半するため、本人負担はこのおよそ半分が目安です。
  • 厚生年金保険料:保険料率は全国一律で18.3%が原則です。これも労使折半のため、本人負担はおよそ半分になります。
  • 雇用保険料:一般の事業では、労働者の負担割合はおよそ0.5%程度です。
  • 介護保険料:40歳から64歳までの方(第2号被保険者)が対象で、この年齢になると健康保険料に上乗せされる形で新たに引かれ始めます。
  • 所得税・住民税:所得税は毎月の給与から概算で天引き(源泉徴収)され、年末調整で精算されます。住民税は前年の所得をもとに計算され、原則として翌年に後払いで引かれる点が特徴です。

これらは月々の給与だけでなく、賞与からも同様に差し引かれます。健康保険料と厚生年金保険料は「標準報酬月額」という等級区分をもとに決まるため、夜勤や残業で額面が大きく動いても、保険料は毎月きっちり比例して変わるわけではない、という点も知っておくと理解しやすいでしょう。

経験年数による変化の傾向

経験を重ねると基本給が上がり、額面が増えていくのが一般的です。ただし、額面が増えると社会保険料や税金も増えるため、手取りの伸びは額面の伸びよりゆるやかになる傾向があります。特に40歳になると介護保険料の負担が加わり、住民税も前年収入に連動して増えるため、「昇給したのに手取りの実感が思ったより小さい」と感じることもあります。これは制度上ごく自然なことです。

まとめ

手取りが額面より少ないのは、健康保険・厚生年金・雇用保険・(該当年齢なら)介護保険といった社会保険料と、所得税・住民税が差し引かれるためで、その合計はおおむね額面の1〜2割程度が目安です。夜勤回数や扶養状況、お住まいの都道府県によって金額は変わります。ご自身のおおよその手取りは、本サイトの手取り計算ツールで試算できますので、条件を入れて目安をつかんでみてください。なお本記事は一般的な仕組みの解説であり、実際の金額や取り扱いは勤務先の給与担当や税務署、専門家にご確認のうえ最終判断してください。

PR

スポンサーリンク(PR)

以下は広告(アフィリエイト)です。各広告主の外部サイトへのリンクを含みます。

関連記事