看護師が手取りを守る4つの控除制度
更新日 2026-07-05
看護師の給与から引かれるものは、大きく「社会保険料」と「税金」に分かれます。健康保険(協会けんぽは都道府県で約9.2〜10.6%)や厚生年金(保険料率18.3%を労使で折半)、40〜64歳が対象の介護保険、雇用保険(一般の事業で労働者負担はおよそ0.5%)といった社会保険料は、標準報酬月額で決まるため、個人の工夫で減らすのは難しいのが原則です。
一方で、所得税と住民税は「所得控除」を積み上げることで課税対象を圧縮でき、結果として手取り(可処分所得)を守ることにつながります。ここでは看護師が使える代表的な制度の概要と注意点を、一般論として整理します。
ふるさと納税
自治体への寄附を通じ、自己負担2,000円を除いた額が所得税・住民税から控除される仕組みです(原則、上限の範囲内)。控除の上限額は年収や家族構成で変わります。看護師は夜勤手当や残業で年収が変動しやすいため、見込み年収を高く見積もりすぎて上限を超えると、超過分は自己負担になる点に注意しましょう。
寄附先が5自治体以内で、ほかに確定申告をしない給与所得者なら「ワンストップ特例」で申告を省けます。ただし後述の医療費控除などで確定申告をする場合は特例が使えず、寄附分も申告に含める必要があります。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
掛金が全額所得控除の対象となり、運用益も非課税、受取時にも一定の控除がある制度です。会社員(厚生年金の第2号被保険者)は、勤務先の企業年金の有無によって掛金の上限が変わります。
節税メリットが期待できる一方、掛けたお金は原則60歳まで引き出せません。ライフイベントで急な出費が想定される時期は、無理のない掛金設定を検討したいところです。
生命保険料控除
「一般生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の3区分があり、年間の払込額に応じて一定額が所得から控除されます。各区分・合計ともに上限が定められています。多くは年末調整で、保険会社から届く控除証明書を提出して手続きします。
医療費控除・セルフメディケーション税制
1年間に支払った医療費が一定額(原則10万円、または総所得金額等の5%のいずれか低い方)を超えた場合、その超過分が所得控除の対象になります。生計を一にする家族分を合算でき、通院の交通費などが対象になることもあります。適用には確定申告が必要です。
市販薬が中心の場合は、対象の医薬品購入額に応じた「セルフメディケーション税制」という選択肢もありますが、医療費控除との併用はできず、どちらか一方を選びます。
使う前に押さえたい注意点
- 控除は「使った額がそのまま戻る」ものではありません。減るのは税額の一部であり、可処分所得全体で損得を見ることが大切です。
- 各制度には上限・要件があり、有利かどうかは年収・家族構成・支出状況によって一人ひとり異なります。
- 制度を組み合わせたときの手取りの変化は、本サイトの手取り計算ツールでおおまかに試算できます。
いずれの制度も、細かな適用条件や書類の要否は状況で変わります。最終的な判断は、勤務先の給与担当や所轄の税務署、税理士など専門家に確認したうえで進めることをおすすめします。